骨髄移植のドナーになった

日本骨髄バンクに登録して骨髄移植のドナーになりました。

すげ~~~~おもしれ~~~~~って体験だったので日記です。

※ブログとかに書いてもいいよ~って言われてます。

骨髄移植どうのとかいうよりも、健康優良児として生きてきて入院も手術もはじめてだったので手術室~全身麻酔~病室の流れがいちばんおもしろかったというか、ハイライトがそこ(?)なのでそこの話なんですが。

 

まず手術室がめちゃくちゃおもしろい。めがねを外して入ったので残念ながら細部は見れてないんだけど、なんか…壁とかのつくりが超金属で、あたりまえなんだけど知らない機械がいっぱいあって、あと部屋入ってすぐに例の手術台がある!て興奮しました。テレビで見たことあるやつだ~(今の家にテレビはないけど)

そして思ってたよりすごい広い!これは病院とか手術室によってきっと違うんだろうけど。学校の教室くらいあったかな。もっと狭くて人がみちみちしてるものだと思ってた(テレビのイメージで)でもたしかに狭くてみちみちでさらにそこに精密機器とかこまごましたものが置いてあったら、私とかのクソドジが混ざると完全に医療ミスが発生しちゃうもんな…

あとめちゃくちゃ寒かった。調べたら菌の繁殖を防ぐとかのために低温になってるらしいですね…そりゃ大手術だったらお医者さんも汗かくもんね。冷やしとかないとね。患者側はだいたい意識ないしね。

手術室に入ってから麻酔までは超スピーディだった。手術台の横の台に寝て、血圧計とか心電図とるやつ(?)みたいなのとか、あとおでこと指にシールを貼られて、口に軽く酸素マスクあてられて、上を見ると歯医者さんのまぶしいライト(わかります?)のすげえでかい上位互換みたいなやつがあってあ~~既視感~~と思ってたら静脈の点滴からさくっと麻酔が入ってきた。

ちょっとピリピリしますよ~って言われて、「あ〜たしかにすーすーしますね…」とか言いながらあんま効かないな?こうなったら最後まで全身麻酔に抗ってやるぞ?と思った。正直麻酔のことをちょっとナメてた。抗えるわけがなかった。

あっという間に目の前がぼや~としてきて(めがねの有無関係なく)見えてるんだけど見えてないというか、意識がそこにないというか、なんかめちゃくちゃ俗っぽい言い方なんだけど「死ぬほど酩酊したとき」に近くて、それまでやっぱりちょっと不安だったんだけど、ここで突然完全に愉快になってしまった。「すごい!めちゃくちゃ酩酊したときですねこれ」とかしょうもないこと言ってたらすーっと何にも考えられなくなって、ふっと気が付いたら目が閉じて真っ暗になってた。もしなんかの事故でまじに運悪く死んでたら、最後の言葉でめちゃくちゃ酩酊したことがあると告白して終わるところだった。

麻酔が効いた後もしばらく完全に意識はなくなってなくて、なんかちょっとあったみたいで周りで人が続行するかざわざわして相談してるのを耳だけで聞いてた。「人間は最後まで聴覚だけは残る」っていうの本当なんだな~と思った。

目も明けられなくて指一本動かせないんだけど意識だけはぼんやりとあって、金縛りにかかったときみたいな感じ。(みんな金縛りあったことある?私は何回かあるんだけどまじでいっこも身体思う通りに動かないからおもしろいよね)

話してた内容とかもなんとなく覚えてる。えっこのまま始まったら意識あるから針ぶっ刺されたらすごい痛くない?なんか指とか動かして起きてるって伝えないとやばくない?ってちょっと不安になったところで記憶がなくなってるのでたぶん寝た。素人の不安はだいたいはずれる。

名前を呼ばれて終わりましたよ~って起こされたときには二時間経ってた。麻酔すげえ〜〜〜

麻酔がまだ効いてたみたいであんまり記憶はないんだけど、なぜか最初に「今何時ですか?」って聞いたのだけ覚えてる。11時10分だった。ちなみに病室に戻って完全に意識がしっかりしたのは13時半くらいだった。

気管のチューブももう抜かれてて風邪のひき始めくらいにちょっとだけのどがいがいがしたかな。あとやっぱり腰は痛かった。私は骨盤に注射を刺して中の骨髄液を取る方法で採取したんだけど、その刺したところが鈍痛?って感じで、筋肉痛+腰痛+ピアス開けたときの痛さくらい?痛いは痛いけどじんわり痛くてのたうち回るほどではない…という感じ。

それよりなによりとにかく寒くて寒くて、雪山で遭難した人みたいにがたがたふるえてた。病室まで戻してもらって検温したら35度だったっぽい。寒いのがいちばんしんどかったな。

でも電気毛布でめちゃくちゃあっためてもらいながら三時間くらい寝たり起きたりをうとうと繰り返していたら、超!!健康に目が覚めました。人間の身体ってすげえ~~~~~いやこの場合すごいのは医療か?

手術当日は痛み止めが効いてたのか腰はほとんど痛くなくて、ひねったときちょっとにぶく痛いのとぼんやり筋肉痛っぽいのがあるくらい。一番痛いのは手の甲の点滴。あと肘の内側が取りづらかったみたいでしばらく念入りにぺちぺちされた結果手の甲から取られた採血。手の甲の注射はけっこう痛い。献血より痛いかも。

夕方ごろから頭痛と発熱があって、術後二日くらい微熱が続いたんだけど身体のしんどさは風邪とかの発熱より断然楽。健康。前日夜から絶食だったから晩ご飯が24時間ぶりの食事だったんだけど揚げ物をめちゃくちゃ完食しました。おいしかった~

翌日以降はちょっと痛みが増したんだけど(じっと同じ姿勢できるとずきずきしてくる感じ)ひまな時間も多かったので、ノートパソコンを持ち込んで同人誌の原稿をしていました。

 

とりあえず記録しておきたいことを書いたらこれは完全に骨髄移植とか関係ないはじめての全身麻酔ではしゃいでる人だな…なんかドナーっぽいこと書くか。

会社を休んだのは事前の検査で半日、最終同意+術前検診+自己血採取で半日、麻酔科受診で半日、あとは入院三泊四日かな。これがだいたい二か月の間に入ってくるから仕事の都合がつかない人はいっぱいいるだろうな…と思った。私はかなり病院に都合をつけてもらったのでもうちょっと日数かかっちゃう人も多いみたいで、そりゃあなかなか移植までいけるケースは少ないだろうな…

 今度骨髄移植のドナーになるんですよ~って世間話するとめちゃくちゃ聞かれたのが「なんでバンク登録したの?」なんだけど、私はほんとにもう「献血のついで」としか答えようがなくて、提供のお願いが家に届いてからも、まあ会社の都合もたぶんつくし、あとなにより経験したことないからやってみたい!って不順な動機しかなかったな…もともと献血とか採血とか大好きで血を見るのとか痛いのとかわりと平気なタイプだったから好奇心が大きかった。

病院のお医者さんとか看護師さんとか、バンクのコーディネーターさんとかすごいていねいに接してくれて、病院の中でのこともたくさん気を遣ってもらって申し訳ないくらい。

夕方、提供先の患者さんの施設にちゃんと届きましたよって報告をもらったときに、なんかはじめて、あっ私の骨髄ほんとにだれかの中に入るんだ…って実感した感じ。もちろん患者さんが前処置に入る前から体調に気を付けたりプチ断酒したり一応人の命を預かってるから~とは思ってたけど、本当に理解したのはそのときだった。がんばれよおれの造血幹細胞。

いろんなリスクとかデメリットとかはあるけど、私のいちばんの動機は好奇心だったのでそれが満たされて大満足だし、あと結果的には身体の負担も想像よりずっと小さかったので、まあ提供してよかったな~~!と思いました。

というだけのとくに中身はない日記でした。