業務上過失ポルノ 長与 エリ子

業務上過失ポルノ (ディアプラス・コミックス) 長与 エリ子

 

いやーーめちゃくちゃおもしろかった

十中八九エロ漫画なんだけど、ちゃんとエロくて、なおかつエロ以外の部分も味があるというか、すべてが高品質 ちゃんとしてる

あとがきで「ややこしいストーリーとかなくて〜」と書いてあったけどいやあるやんけ!??というかんじ 「えっちな話」で後半のこれを描ける力量よ…

 

陽子の話をしますがAロマAセクの女がゲイの当て馬にされるというの、なんかもういろいろ思ったけど最終的に残った感情が「ありがとう……」ですね

ヘテロの女」でもよかったのにできなくはなかったのに「AロマAセクの女」だった そのなんでもなさ ありがとう……そのとおり……ここにいます……という感情(これはもちろん作者のゲイやAceの描き方などで不信感を覚えることがなかったからの感謝です、男を悪者にしないための「道具」にはされていないと感じた)

恋愛も結婚も性的欲求もわからなくても、いつか子どもが欲しくなるかもしれない、この描き方には賛否あるだろうけど私は多様さとしてありだと思う

「だけど人生捧げてキヨくんの苦しみに寄り添えるほど大事でもないの」わわわわわわかる……わかる〜〜〜!!!その大事にできなさ……

いい人で、好きで、結婚もできて、それなりに大事で、でも「人生捧げられるほど大事にはできない」、そういう自分を切り貼りして削ってでも尽くせる「大事にする」ってそれこそ恋愛とか性欲でばかになってなきゃできないと思うし、もしくは、それのことを「愛」って呼ぶんだろうけど、私にはないから

自分を消しゴムみたいに削ることだってできる相手への感情、私は、恋愛や性欲でくらんで頭がばかになっちゃったからなんだと思う

そうでないものがあるなら、それがほんとうに「愛」ってやつなんだと思う

だけど「愛」ってだれにもたしかめられないよ 少なくとも私は持ってない

あるかもしれないし、ないかもしれない

もしそれがあるなら、私にはたぶん手に入らないけど、すごいと思う しそういう「愛」があるふたりのことを書きたい…と思ったのでした

ずれにずれた感想おわり